第一薬科大学 創薬・ヘルスケア スタートアップ・カンファレンス 2025 参加レポート

 11月22日に福岡の第一薬科大学で開催された「創薬・ヘルスケア スタートアップ・カンファレンス 2025」に行ってきました。

 第一薬科大学 創薬・ヘルスケア スタートアップ・カンファレンス 2025とは?
【目的】当カンファレンスは、医療研究者と教育者を対象に、最先端のヘルスケア分野の知見と教育方法を共有し、未来の医療発展に貢献する
【テーマ】革新的な医薬品開発と、それを支える人材育成の連携強化
です。

余談ですが、主催者の代表はCDLE福岡リーダーの有馬さんです。🎉

 残念ながら午後はどうしても外せない予定があったので午前中だけの参加でしたが医療とAIについて(それだけでなく、脇道にそれた話も)興味深い話を聞くことができました。

【特別セッション1】
 ・聖マリアンナ医科大学教授 小林泰之
  「すべてのひとが生成AIを使いこなす世界を創る~医療人2030の挑戦~」

 このセッションでは、AI進化の加速と医療現場への浸透についてお話がありました。
 汎用人工知能(AGI)の実現時期が当初の予測から大幅に前倒しされ、その先の超知能(ASI)の到来も現実味を帯びていること。
 医療AIの活用が急速に進展しており、「もはや生成AIを使うか使わないかの選択肢はない」と語られ、これからの時代に求められる人材像として、医療の専門知識に加え、テクノロジー理解、そしてビジネス・マーケティングの視点を持つ「トリプルメジャー」人材が重要とのことでした。

【特別セッション2】
 ・学校法人原田学園 平原大助
  「医療・介護現場のDX戦略 ~無料AIツールで始める業務改革」

 このセッションでは、発表から間もない最新の生成AI技術が、既に驚異的な性能向上を遂げ、かつてないコストパフォーマンスで利用可能になっていること、医療現場で求められる多様なアプリケーションが、短期間で、しかも非常に低いコストで構築可能だということを自身で実証したお話がありました。
 また、AIが生成する情報の信頼性(ハルシネーション問題)についても、そのリスクを管理する新たな技術や、創造的な側面を逆手に取った活用事例が紹介されました。
 一方で、無料のAIサービスを利用する際には、情報セキュリティリスクに細心の注意を払い、適切な対策を講じる必要があるとの重要性にも触れられました。
 また、AI時代における専門知識を持つ人材の価値について、「AIツールは誰でも使える時代だからこそ、専門分野の知識や経験が重要になり、むしろ40代・50代のような経験豊富な世代が活躍できるのでは」というポジティブなお話もあり、その年齢に達している私にとってはうれしいメッセージでした。

【講演】
 ・大学生向けアントレプレナーシッププログラム
  デロイト トーマツ ベンチャーサポート(株)

 このころは、頭がおなか一杯になってきており、内容が頭からこぼれてしまっているので、簡単に。
 起業には目標だけでなく、身近な課題意識から始まるものも多い。
 支援環境は整ってきており、学生や若手にとってチャレンジしやすい時代になっている、と話されたかと思います。

 最後に参加した感想ですが(かっこよく)、医療・介護現場という、人間らしさが求められる領域でさえ、AIとの共生が不可欠な時代に突入しつつある今、私たちに必要なのは、AIを恐れることでも盲信することでもなく、専門知識を持った人間として、AIを使いこなし、真の価値を創造していくことだと思った一日でした。

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